性器ヘルペスの感染経路はどこ?セックスしてないのにかかる可能性あるの?

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性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスへの感染が原因となって発症します。

では、このウイルスにはどのようなルートで感染してしまうのでしょうか。
また、”性感染症”に分類される性器ヘルペスですが、性行為をしていなくても発症する可能性もあるのでしょうか。

ここでは、性器ヘルペスの感染経路について詳しく解説します。

主な感染経路はセックス

性器ヘルペスは主に、単純ヘルペスウイルス2型への感染が原因で発症します。そしてこのウイルスへは、患部との直接的・間接的接触によって感染することがわかっています。

そのため性器ヘルペスへは、セックスによる感染が圧倒的に多い傾向にあり、感染経路の約70%を占めてます。

ヘルペスに感染している人とセックスをすることによって性器同士が接触し、そこからウイルスが侵入することによって性器ヘルペスになってしまうというわけです。

逆に言うと、ヘルペスウイルスには、風邪などのように飛沫感染(唾液やつばによる感染)することはありません。

性器ヘルペスはコンドームだけでは防ぎきれない

性感染症を予防するのに効果的な手段の一つである避妊具の「コンドーム」ですが、性器ヘルペスに関しては、コンドームをつけたとしてもその感染を完全に予防することはできません。というのも性器ヘルペスのウイルスは患部(水ぶくれなど)から大量に放出されているため、例えコンドームをつけていたとしてもウイルスとの接触を完全に防ぐことが難しいのです。

ヘルペスウイルスは症状がおさまってしまえば神経節の奥深くに隠れてしまい、そうなればセックスをしても問題ありません。
なので、あくまでも症状が出ている時はセックスをしないようにしましょう。

とはいっても、感染経路のほとんどは症状を「自覚していない人」からの感染であるため、性器ヘルペスを完全に防ぐのは極めて難しいのです。

オーラルセックスで感染することもある

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性器ヘルペスは、口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス1型への感染によって発症することもあります。そして口唇ヘルペスの原因ウイルスが性器へと感染する原因として最も多いのが、「オーラルセックス」です。

例えば口唇ヘルペスに感染している人とフェラチオやクンニリングスといったオーラルセックスをした場合、口唇やその周りに出てきている単純ヘルペスウイルス1型が性器から侵入・感染して性器ヘルペスになることがあります。

またこれとは反対に、性器ヘルペスに感染している人とオーラルセックスをすることで、口唇やその周りに単純ヘルペスウイルスⅡ型が侵入・感染して口唇ヘルペスになってしまうこともあります。

ということは最悪の場合、
【口唇ヘルペスの人とオーラルセックスをして性器ヘルペスになる】

【パートナーとセックスをして性器ヘルペスをうつしてしまう】

【そのパートナーとオーラルセックスをして口唇ヘルペスにも感染】

なんて最悪の事態に発展する可能性だってあるわけです。

性器ヘルペスや口唇ヘルペスはどちらも“症状がでているときに大量のウイルスが放出される”ことがわかっていますので、ヘルペスの症状が出ている時はセックスやオーラルセックスなどあらゆる性行為を控えることが大切です。

性行為(セックス)以外の感染経路もあります!

ここまで、性行為やオーラルセックスでの性器ヘルペスに感染するケースについて説明してきましたが、実は性器ヘルペスには性行為(セックス)以外の感染経路も存在します。

性器ヘルペスは自家感染することもある

セックスやオーラルセックスといった性行為によって感染する性器ヘルペスですが、実は他人からだけではなく“自分から自分に”感染することもあります。

例えばあなたが口唇ヘルペスに感染しているとして、患部に触れた手で性器を触ったとします。この手には単純ヘルペスウイルスが大量に付着していますので、これが性器から侵入・感染すると性器ヘルペスになってしまうことがあるのです。

また反対に、性器ヘルペスに触った手で口唇やその周りを触ることによって口唇ヘルペスになってしまうという可能性もあります。

性器ヘルペスは他人からだけでなく自家感染することもある病気ですので、ヘルペスの症状が出ている部分にはできるだけ触れないようにし、もし触れてしまった場合は殺菌作用がある薬用石鹸などを使ってしっかり手を洗っておくようにしましょう。

ウイルスへの間接的な接触にも注意しよう

性器ヘルペスへは、ウイルスとの間接的な接触によって感染することもあります。

どういうことかというと、シーツやタオルに付着した単純ヘルペスウイルスが、性器に侵入・感染することによって性器ヘルペスになってしまうことがあるというわけです。そのためご家族に性器ヘルペスの症状が出ている人がいる場合は、タオルやシーツの衛生管理に注意する必要があります。

・タオルやシーツを共有しない
・使用済みのタオルやシーツはすぐに洗濯する
・洗濯後は乾燥機にかけたり天日干ししたりしてウイルスを退治する

といった対策が効果的です。

また、お風呂の湯船や便座を介して性器ヘルペスがうつる可能性も0ではありません。
ヘルペスウイルスは熱に弱いため、湯船を介しての感染可能性は高いわけではありませんが、水ぶくれの症状がひどい間は湯船につかるのは控えるのが得策でしょう。
同じく、水ぶくれの症状がひどい間は、便座もこまめに除菌するなどのケアをすると安心です。

なお、性器ヘルペスは口唇ヘルペスから感染することもありますので、ご家族に口唇ヘルペスの症状が出ている人がいるときも、タオル等の管理に気をつける必要があります。

妊娠中の性器ヘルペス発症

また、妊娠中の性器ヘルペス発症は、自然分娩の場合、高い頻度で赤ちゃんに感染してしまうため出産方法や妊娠管理については、医師と十分に話し合うことが大切です。

こちらについては、大事な問題なので、別途「性器ヘルペスの妊娠や出産への影響について」に情報をまとめています。

まとめ

性器ヘルペスは、セックスやオーラルセックスといった性行為によってはもちろん、タオルやシーツを介して、あるいは自分から自分に感染することもあります。そのためヘルペスの症状が出ている時は患部に触れないようにし、肌に触れるものの衛生管理を徹底することが大切です。

ヘルペスは「愛のウイルス」と呼ばれることもあるくらい家族間・恋人同士での感染が多いウイルスですので、大切な人に感染させないためにも症状が出ている時は十分注意しましょう。

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