人と人の接触によって感染していくヘルペスは、非常に感染力が強いことでも知られています。
特に、生活を共にしている夫婦や親子間での接触感染が多いことから、家族にヘルペスを移さないように日頃から気をつける必要があります。
そこで今日は、家族でヘルペスをうつし合わないための注意すべきポイントをご紹介いたします。
家族間での注意点
家族間での接触感染が多いヘルペスの代表として、口唇ヘルペスが挙げられます。
もし、家族の一人が口唇ヘルペスを発症した場合にはタオルやコップなどの食器を共有することを避け、肌や唾液の接触を避けるためにも子供への頬ずりやキスなどのスキンシップも禁止する必要があります。
また、発症した人の皮膚に傷や湿疹などの肌荒れや炎症が起きている場合は更に感染率が上がるため、手を繋ぐなど軽い肌の触れ合いもNGとなります。
特に、水ぶくれができている時はウィルスの量も多く、感染力が非常に高い時期であることから、まずは部屋を隔離するなど家族と接触しないようにすることが感染を防ぐ意味で一番重要となってきます。
発症した人の対処法としては、患部に極力触れないことや水ぶくれを破らないことが第一に挙げられます。
違和感があるからと無理に水ぶくれを破ると、そこから細菌感染することで症状を悪化させたり、指や爪に付いたウィルスが感染源となって広がっていくことも分かっています。
まずは患部に触らないようにマスクをしたり、もし万が一水ぶくれを指で触ってしまった場合には、すぐに石鹸で洗い流すようにしましょう。
残念ながら、現在の医学ではヘルペスを完治させることはできませんが、薬を活用することでウィルスの増殖を抑えて症状を軽くさせることは可能です。
家族の中にヘルペスの症状が出た場合には、時期尚早に病院で治療を始めることも、感染を防ぐ上での大事なポイントとなっています。
夫婦間での注意点
口唇ヘルペスに次いで多いのが性器ヘルペスです。
こちらは、夫婦間の性的接触によって性器ヘルペスに感染する可能性があるため、パートナーがヘルペスを発症した場合には性行為を避ける必要があります。
医療機関による報告によると、1回の性行為での感染率は男性から女性への感染は約17%、女性から男性への感染は約4%であり、平均にすると1割程度が性行為が原因で性器ヘルペスに罹患していることが分かっています。
特に、うつされた側のパートナーがヘルペスウィルスを持っていない場合は初感染となり、症状が重症化するなどの恐れもあるため、性行為の禁止だけでなく発症者の唾液や体液に直接触れないように注意しなければなりません。
また、発症者の性器を直接手で触れる行為も性器ヘルペスに感染する原因となったり、オーラルセックスによって口唇ヘルペスのウィルスが性器に感染して性器ヘルペスを発症する恐れがあります。
もし、パートナーの性器周辺に水ぶくれができている場合は、自宅や職場のトイレを使う際なども患部が当たらないように便座にガーゼを引くなどの配慮や、使用前後にはエタノールなどの消毒をしてウィルスが飛散しないようにすることが大切です。
性器ヘルペスも他のヘルペス同様、一度感染すると完治することはなく再発を繰り返しますが、こちらは特に再発しやすいと言われており、体調が優れなかったりストレスを抱えているなど免疫力が低下した状態であったり、女性の月経時にも感染率が上がることが分かっています。
ひどくなるとウィルスが髄膜まで達して髄膜縁を引き起こす可能性もあり、症状の悪化により高熱や尿が出ないと言った苦しい思いをすることになりますので、「おかしいな」と感じたらすぐに病院で再発抑制薬を処方してもらうことが大切です。
家族に赤ちゃんがいる場合は
大人と違い、赤ちゃんや小さなお子さんは免疫力が少ないため、より厳重な注意が必要となってきます。
特に、新生児の期間は口唇ヘルペスなど単純ヘルペスウィルスでも全身に症状が広がり、短期間で重篤な症状が現れる場合もあります。
キスや頬ずりはもちろんのこと、患部を触った指で赤ちゃんに触れただけでも感染する可能性はありますので、赤ちゃんに触れる前は毎回手洗いと消毒をするようにしましょう。
また、箸やフォーク、食器などを共有しないだけでなく、保管場所も別々に分けることも大切です。
ちなみに、タオルの共有はもちろんNGですが、洗濯する場合は一緒にしても問題はありませんが、できたら洗濯後は乾燥機ではなく日光に当たるように干して殺菌するようにしてください。
尚、赤ちゃんの母親が妊娠前にヘルペスウイルスに感染していた場合は既に免疫があるため、赤ちゃんが感染しても症状はそれほど重症化しないことが分かっています。
サプリメントで再発予防をする
ヘルペスの予防、症状を早く改善させたい場合は、ヘルペスウィルスの活動を抑えるリジンが配合されたサプリメントを摂ることもおすすめです。
アミノ酸であるリジンはヘルペスウィルスの増殖を抑える効果があるため、既に菌を保持している人の再発予防に役立ちます。
口唇ヘルペス用のサプリには、リジン単体のみ配合されたサプリメントもありますが、、過剰摂取が起こりやすく、腎機能障害を引き起こす恐れがありますのであまりおすすめしません。
ヘルペスを発症するきっかけとなる免疫力の向上と皮膚の修復効果を意図したサプリメントを摂ることで、たとえ発症しても軽症で済むなどのメリットが得られます。
ヘルペスは「リジン」を効率よく摂取することと、免疫力がポイントになりますので参考にしてみてください。
まとめ
ヘルペスは生死にかかわる病ではないものの、一度かかったら治ることはないため、上手に付き合っていく覚悟が必要な病気でもあります。
それには、再発しないように日頃から心と身体にストレスをかけないように心がけていくことや、家族や身近な人に感染しないように努力することも大切です。
まずは、ヘルペスについて正しい知識を良く知ることで、ヘルペスの接触感染を最小限に防ぐことから始めていきましょう。