痛くてかゆい口唇ヘルペスって何?! 性病の一種? 慌てずにその原因・症状・特徴を知ろう

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口の周りに小さな水ぶくれができていて、痛かったりかゆかったりする場合、それは「口唇ヘルペス」かもしれません。

口唇ヘルペスは多くの人がかかるありふれた病気でありながら、その感染力は強く、一度かかると完治するのが難しいと言われています。
ここでは、口唇ヘルペスについてその原因や症状、再発の可能性なども含めて詳しくご紹介していきたいと思います。

口唇ヘルペスとは

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口唇ヘルペスとは、ヘルペスウィルスによるウイルス性伝染性疾患であり、唇の周りに小さな水ぶくれができるなどの症状が現れます。
ヘルペスのことを知らないと、単に唇が乾燥して荒れているようにも見えますが、痛みやかゆみがあるのが特徴的で、リップクリームを塗り続けても改善されません。

ヘルペスウィルスには8つの種類があり、中でも口唇ヘルペスは主に顔や上半身に症状の出る単純ヘルペスウィルス1型に分類されています。

国内では10人に1人の割合で口唇ヘルペスにかかっていると推計されており、20代から30代にかけては約半数、60代以降になるとほとんどの割合で感染していると言うデータもありますが、中には自覚症状が無かったり軽かったなどの理由で自身が感染していることを気付かないまま過ごしている人も多くいます。

よって、「口唇ヘルペス」と言う言葉に馴染みがなくても、疲れやストレスの溜まっている状態の時に唇の周りに水ほうができて痒みや違和感を経験したことのある人は、口唇ヘルペスに感染している場合が多いので注意が必要です。

また、一昔前までは、誰もが幼少時の気づかぬ内にヘルペスウィルスに感染し免疫を持つことで、たとえ発症しても軽症で済むことができたと言います。

しかし、最近では大人になってから初めて感染することで、発症後に重症化するケースも増えており、これには近年の核家族の増加や行き届いた衛生面による初感染の遅れが影響していると考えられています。

口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスは、ヘルペスウィルスによる人から人への感染が原因です。
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウィルス1型と呼ばれる病原体であり、その大きさは1ミリの1万分の1程度の最小の生き物です。

このウィルスは核酸(DNAまたはRNA)とたんぱく質でできていますが、自ら子孫を作ることができないため、他の生物の体内に入り込みそこにある細胞を利用しながら自分のコピーを作りだして行きます。

こうした過程によって誕生した多くのヘルペスのコピーウィルスは、感染した生物の体内から出て、新たな生物の細胞に感染していくのです。

ヘルペスは性行為を伴う浮気が原因?!

よく、「ヘルペスにかかったのは浮気が原因じゃないの?」と疑われるという話を聞きますが、もちろんその可能性は0ではないものの、タオルや食器などを通してうつる可能性も十分にあります。つまり、口唇ヘルペスは必ずしも性感染症(昔で言うところの”性病”)だとは言えないということ。早とちりは禁物です。

また、性器ヘルペスは、初めてウイルスに感染してもすぐに症状が現れない事が多く、その数年後に発症するケースもあります。
つまり、万が一浮気が原因で感染していた場合であっても、いつ感染したのか(=いつ浮気をしたのか)はわからないのです。

口唇ヘルペスの症状

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口唇ヘルペスの主な症状は、何と言っても口の周りにできる水ほうです。
はじめは、口唇や口周りの皮膚の一部が赤くなって、しばらくすると小さなプツプツとした水ぶくれができてきます。
その際、患部には痒みや火照りを感じたり痛みを伴う場合もあり、これらの症状は水ぶくれがかさぶたとなる頃には(10日から2週間)で収まってきます。

ですが口唇ヘルペスの場合、初感染か再感染かによっても症状が変わりますし、その人の年齢や体質またはその時の体調によっても程度に違いがでてくることもわかっています。
小児の初感染では、特に症状を感じないまま気付かない内に収まってしまうケースが多く見られます。

一方で大人の初感染となると、4日から一週間の潜伏期間を経て、口唇や口周りの広範囲に3ミリから5ミリの水ほうが数多く出現し痒みや痛みをもたらすだけでなく、頭痛や発熱、リンパ節の腫れや痛み、倦怠感などの症状が現れることがあります。
再発の場合は、前兆として喉の痛みや皮膚にチクチクとした違和感や痒みが現れ、半日ほどで赤く腫れたり水ほうが出始めますが、その際皮膚の火照りや発熱などの症状が出ることもあり、1週間程度で治癒していくとみられています。

また、水ほうやかさぶたなどの傷痕はほとんど残ることはありませんが、その人の体質やその時の体調によっては痕が残る場合もあります。
特に疲れやストレスなどが溜まり、身体の免疫力が低下している時には、あばたのような痕が残る可能性もあります。

再発や治療法について

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残念ながら現在では、ヘルペスウィルスは感染したら最後、完治することはまずありません。
ヘルペスウィルスは、1度でも身体に入ってしまうと体内から消えることはなく、神経細胞に潜り込んで再発できる機会をずっと狙っています。

通常、感染した人の身体にはウイルスに対する抗体ができていますが、疲れやストレスおよび風邪、または生理の時など免疫力が低下すると、ウィルスは再活性化して増殖し始めます。
そうなると、ウィルスはずっと潜んでいた神経節から飛び出して、神経を通りながら皮膚や粘膜に広がっていくことで、水ぶくれや痒みや痛みなどの症状を引き起こしていきます。

人によっては日焼けをした時にヘルペスの症状が出やすいという方もいます。やはり紫外線を浴びると肌は弱りますし、皮膚が薄い唇のダメージは大きいのです。

口唇ヘルペスの再発は、年に1回から2回のペースが多いと言われており、再発する度に軽症化されて行きますが、アトピー体質などで肌の弱い人は症状が重くなることもあるので注意が必要です。
とはいえ、口唇ヘルペスは再発しても治療が早ければ早いほど軽症で済むことが分かっているため、まずは患部を清潔に保ちヘルペスに効果のある軟膏を塗ることで症状が広がらないようにすることは可能です。

病院では、神経細胞内のヘルペスウィルスの増殖を抑える内服薬を処方してくれたり、症状が重い場合には点滴や静脈内注射で対応してくれますし、疲れやストレスが原因で再発した場合は胃腸をケアすることでウィルスの増殖を抑えていきます。

まとめ

ほとんどの大人が口唇ヘルペスに感染しており、1度感染すると完治が難しいことや再発の恐れが高いと言う現実に驚いた人もきっと多いのではないでしょうか。
ですが、口唇ヘルペスは正しく理解して対処することで、再発の頻度や症状の悪化を抑えることはできます。
それにはまず、日頃から規則正しく栄養バランスの整った食生活や体調管理を心がけ、免疫力低下の原因となる疲れやストレスを溜めないようにすることが重要です。

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