多くの人に馴染みのあるお口周りのトラブルと言えば「口唇ヘルペス」と「口内炎」です。
どちらも痛みを伴う症状ですが、どんな違いがあるのでしょうか?今回は、原因・場所・症状に分けて、その違いを解説していきます。
また、口唇ヘルペスが口内や舌にできることがあるのか、という点についても一緒に説明します。
口唇ヘルペスと口内炎はそもそもの原因が違う!
まずは口唇ヘルペス。主な原因は単純ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスです。
この菌が感染することにより口唇ヘルペスの症状が引き起こされます。
なお、このウイルスは人の体に潜伏し、風邪を引いたり疲れが溜まったりして免疫力が低下した際に増殖して口唇ヘルペスを再発させます。
次に口内炎の原因ですが、こちらはさまざまな細菌です。
単純ヘルペスウイルスとは異なりますので、この点が大きな違いでしょう。
ただし、こちらも体の抵抗力が落ちた時に発症する傾向にあります。その他、口の中を噛んでしまい傷がついて、そこから細菌が入り込み炎症となってしまうこともあります。
できる場所の違い
口唇ヘルペスができるのは主に口の周りや唇です。
その他、上半身のどこかにできることもあります。これに対し口内炎はその名のとおり、口の中にしかできません。
そのため、基本的には口の外にできた水泡は口内炎ではない、と考えてよいでしょう。
ただし、口唇ヘルペスは稀に口の中や舌でも発症することがあります。
(それをここでは便宜上「口内ヘルペス」と呼びます。場合によって「ヘルペス性口内炎」と呼ばれていることもあります。)
そのため、過去に口唇ヘルペスの発症歴がある方、もしくは頻繁に再発する経験を持つ方の場合は、口の中であっても口内炎と決めつけず、口内ヘルペスの可能性も考えたほうが良いかもしれません。
一般的に言って、唇や口の周りに赤い腫れや斑点のようなものは見当たらないのに、口の中だけにぶつぶつができた場合は口唇ヘルペス以外の可能性が高いでしょう。
症状の違い
口唇ヘルペス(もしくは口内ヘルペス)の症状は初感染と再発で異なります。前者の場合、大きな水泡ができたりリンパ節が腫れたりします。
また、場合によっては全身の不調につながることも。さらに、痛みやかゆみがあるのも特徴です。再発の場合には症状が軽くなり、小さな水泡ができるにとどまる場合が多いと言えます。
これに対し口内炎は、水泡ができるわけではありません。多いのは丸くて白いアフタ性口内炎です。また、赤いものや大きく広がるもの、えぐれるものもあります。
その他、触れると痛みを感じるのも大きな特徴です。
まとめ
両者の見分け方でもっとも簡単なのは、やはり見た目でしょう。水泡なのかそうでないのかを確認すれば、口内にできていたとしてもすぐに見分けが付きます。
ちなみに、口外にできた腫れは口角炎の可能性もあります。ただし、口角炎の症状は炎症による亀裂ですので、こちらも水泡かどうかで見分けるとよいでしょう。