ヘルペス性歯肉口内炎とは?その原因と症状について

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ヘルペス性歯肉口内炎は、1~3歳の乳幼児に多く発症する疾患です。では、ヘルペス性歯肉口内炎はどのような病気で、発症するとどのような症状が出るのでしょうか。

またこの病気に対しては、どのような治療が行われるのでしょうか。ここでは、ヘルペス性歯肉口内炎について詳しく解説します。

ヘルペス性歯肉口内炎の原因

ヘルペス性歯肉口内炎は1~3歳くらいの乳幼児に多い疾患で、単純ヘルペスウイルスⅠ型に感染することによって発症します。

ヘルペスウイルス自体はさほど珍しいものでなく中高年の方の多くが感染していると言われていますが、ヘルペス性歯肉口内炎は、乳幼児がこのウイルスに初めて感染したときに発症します。

主な原因は母親からの感染

単純ヘルペスウイルスⅠ型は、ウイルスとの直接・間接接触によって感染します。そのため乳幼児へのウイルス感染経路としては母親との直接的な接触のほか、

・コップの共有
・タオルの共有
・食べ物の口移し

といった間接的な接触も挙げられます。

乳児の中には生まれて間もない頃にヘルペスウイルスに感染してしまう子がいますが、生後6か月くらいまでは母親からもらった免疫機能が体内で作用しているため、症状が出ることはあまりありません。

しかし生後6か月を過ぎて母親からの免疫力がなくなってくるとヘルペスウイルスが体内で活発化して増殖し、ヘルペス性歯肉口内炎を発症してしまいます。

ヘルペス性歯肉口内炎の症状

では、ヘルペス性歯肉口内炎を発症した場合、具体的にどのような症状があらわれるのでしょうか。

ヘルペス性歯肉口内炎は、発症後、まず高熱が3日間程度続きます。初期段階から歯肉が赤く腫れる子も稀にいますが、ほとんどのケースにおいては、口腔内には特に異常がみられません。

しかし熱が下がってくると同時に口唇や舌に口内炎ができたり、歯肉炎を起こして歯茎から出血しやすくなったりします。

ヘルペス性歯肉口内炎は、発症初期段階において発熱以外の症状がほとんどあらわれません。そのためこの段階で病院を受診しても、正確な診断をすることができない場合があります。そこで一度病院を受診して特に異常なしと診断された場合でも、

・高熱が3日以上続いている
・口の痛みを訴える
・水分を飲みたがらない
・元気がなく、ぐったりとしている

といった症状がみられるときは、もう一度診察を受けることをおすすめします。

ヘルペス性歯肉口内炎の治療法

ヘルペス性歯肉口内炎に対しては、その原因となる単純ヘルペスウイルスⅠ型に対して効果がある抗ウイルス薬を使った治療が行われます。

薬を服用すれば口唇や歯肉の発赤・腫脹は2~3日程度で劇的に回復していきますが、口唇や舌にできた口内炎については、症状が軽快した後もしばらくは黒い瘡蓋が残ります。

また口の中の痛みが酷く水分を一切受け付けないといったような場合には、脱水症状を防ぐために点滴による治療が行われることもあります。

ヘルペス性歯肉口内炎は、特に治療をしなくても1週間~10日程度で自然に症状が改善されていきます。

しかしこの疾患は口の中に口内炎が多発して強い痛みを伴いますし、その影響によって水分を十分に摂取できなくなると、高熱と相まって脱水症状を起こしてしまう可能性もあります。

そのためお子様にヘルペス性歯肉口内炎が疑われる症状が出ている時は、できるだけ早めに病院に行くようにしましょう。

ちなみにヘルペス性歯肉口内炎が疑われる症状としては、以下のようなものが挙げられます。

・発熱後3日目以降くらいから口の中に口内炎が沢山出来る
・よだれが増える
・唇が渇いている(脱水症状の前兆)
・歯茎が赤く腫れていたり、出血していたりする

ヘルペス性歯肉口内炎になった場合、保育園や学校は!?

ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルスは、非常に感染力の強いウイルスです。

そのため口唇ヘルペスや性器ヘルペスになった場合は人にウイルスをうつさないよう十分注意する必要がありますが、ヘルペス性歯肉口内炎も、他のヘルペスと同じく人に感染させてしまうのでしょうか?

残念ながら、答えはYESです。

単純ヘルペスウイルスへは直接的接触はもちろん間接的な接触によっても感染しますので、

・食器の共有
・タオルの共有
・食べ物の口移し

等をしないよう注意しましょう。

特に年が近い兄弟がいる場合はお子様間での感染が起こる可能性がありますので、症状が出ている間はおもちゃ等の共有についてもできるだけ控えたほうが良いでしょう。

またヘルペス性歯肉口内炎は、よだれなどから人にうつる可能性もあります。

そのため口内炎が完全に治るまで、1週間程度は保育園や学校をお休みして自宅で安静にしておくことをおすすめします。

まとめ

ヘルペス性口内炎は、単純ヘルペスウイルスⅠ型に感染することで発症する病気です。乳幼児に多い子の病気は発熱後3日程度経過してから特徴的な症状があらわれてきますので、お子様の発熱後に口内炎や歯肉の腫れ等がみられる場合は、できるだけ早く病院に行くようにしましょう。

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